インバーネスはスコットランドはハイランド観光の玄関口だ。僕は逸る気持ちを抑えられず、小走りでレンタカー事務所へ向かう。初の試み、海外レンタカーという高きハードルを超えねばならない。ネットで予約はしていったものの、保険の話とか色々な英会話についていけるのか、その不安感が胸をしめつける。

 しかし、レンタカー事務所について、予約確認書を渡せば、ちょこっと書類を書いて終わり。借りれた車は、キアのマニュアル車だった。当初の予定では、フィアットを借りれる予定だったのに、ガッカリだ。しかし、エアコン付になったのはありがたいかもしれない。久しぶりのマニュアル車、そして初めての外国ドライブに挑む。

 街並みを抜けてしばらく走れば、そこは草原の丘をうねりながらすすむ道になっていた。雲が低く、そして速い。羊がぽつぽつと群れていて、向こう側には川が見える。こんな光景が、地球にあったのか、オーバーではなく涙が込み上げる。僕が憧れていた道はスコットランドにあったのだから。

 少し寒いけど、窓をあけ、風を感じながらひたすらに車を走らせた。これといった目的地はなかった。ただ、地図を広げて興味をそそられた島、「スカイ島」の方へ向かおうと思っていた。

 スコットランドで借りたレンタカーは使っていい走行距離が決まっていた。たしか300kmくらいだったような気がする。僕は、150km西へ進み、帰ろうと決めていた。ネス湖を通り過ぎ、大西洋が見えてきた。橋を渡れば、そこはスカイ島。ずっとスカイ島の和訳は空島だと思っていたけど、どうやら違うらしい。

 レンタカー旅の醍醐味として車中泊がある。宿をとらないので、お金も浮くし自由に動ける利点がある。ただし、欠点もある。酒が飲めないことだ。

 だが、がっかりするのはまだはやい。すばらしい解決方法がある。そう、町中の「キャンプ場」を探せ!!。

 日本にはあまりないが、スコットランドのような田舎には、町に隣接されたキャンプ場が結構あったりする。宿より格安で、シャワーもランドリーもある。街で一杯引っ掛けて車で寝れば問題なしという最高のプランである。

 スカイ島で泊まったキャンプ場は、「スリラガンキャンプサイト」という名前だったような気がする。かわいい犬、そして道を挟んでPUBが一軒だけあり、あとは草原という完璧なキャンプ場だ。

調べたら 「Sligachan」という名前のキャンプ場でした。全然違う。

キャンプ場からの眺め

 しばらく、散歩をしながら時間を潰していた。シャワーもあびると日が落ちて気温が下がってきた。寝袋などは持っていないから、ひたすら洋服を着込むことしかできない。あまりに寒いから、とりあえずPUBに行くことにした。

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