「El Paso」 僕はこの街をなんと呼ぼう。
テックスメックス、ボーダーシティー、どう呼んでもしっくりこない。
ペンキ缶に数種類のペンキと、およそ街を構成するに必要な全てのモノを投げ入れ、
荒くかきまぜ、いっきに砂漠に撒き散らした街。
そう、ごったづめペンキ缶CITY。これがぴったりだ。
TATSURO&EIZIN Southward Bound 山下達郎 鈴木英人
未だ未完成。そんな都市だ。大きな丘を下ると見えてくる、エルパソ。
ここまできたら、メキシコに入国してみようかと思い立つ。車を駐車場に止めて徒歩で国境にかかる橋へ。
アメリカからメキシコへ。メキシコからアメリカへ。買出しや出稼ぎなど様々な理由から二つの国で生活する人々がいる。
駅の自動改札のようなゲートへコインを入れればメキシコへは簡単に入国できる。
メキシコへ入国した途端、一気に雰囲気が変わった。アメリカ側より、活気があるように感じた。
道はボロボロ、ビルもない、ここがメキシコの入り口。
メキシコで良く、目に付いたものは、目医者か歯医者のような病院とペチャンコになった動物の死体だ。
道路では、でかい車がびゅんびゅん走っている。犬、猫、鳥、ねずみ、こうもり、様々な動物が道路の脇で敷物のようにペチャンコになっている。俺も轢かれないように気をつけなければ。
スペイン感ある建物も。青い空に良くはえている。
僕は、旅先の宗教に対して、リスペクトをすることにしている。ミサなんかあったらフラっと参加してしっかりご挨拶させていただく。
この日もミサへ参加し、しっかりと挨拶をする。無事に旅を終えられるように。
美しいスタンドグラスにすこし見惚れた。
メキシコで鳥の料理を食べた。料理名もわからないし、ピリ辛、でパサパサ。
地元の人はよく買いに来ているようだが、観光客は僕一人の惣菜屋のような場所だった。
メキシコからアメリカへ帰る場合は、入国審査のようなものがあった。
審査官「何しにメキシコへ行ったんだ?」
僕「メキシコ料理を食べに。」
審査官「メキシコ料理?何を食べた??」
僕「チキン」
審査官「おいおい、鳥料理つっても、いろいろあるだろ。ブリート、タコス、etc…」
料理名わからねえなぁと画像を見せてみる。
審査官「あーこれか!Okay.行っていいぜー」
アメリカの歴史史上、最もしょうもない入国審査だったとしてもおかしくない。チキンの話しかしていない。
エルパソで一番有名なメキシコ料理屋へ。
もちろんエンチラーダ!!チリソースが辛すぎた…。でもやっぱり美味しいのよね、これが。
今日も今日とて、TA(トラックストップ)にて車中泊。