グランブルーという映画に憧れて、シチリアは、タオルミナまできた。タオルミナもアマルフィのような観光町になっており、ハネムーンなんかで丁度よさそうな感じだ。
またしても、男一人、周りに取り残されているような感覚になってくる。
観光地だからだろうか、裏道もすっきりしている。
映画に出てきたような光景だ。
実は、絶対に行きたいと思っていた場所があった。それは、グランブルーに登場するレストランだ。
ああ、こんなところでイタ飯食いたい。そしてジャンレノかっこええ。
だが、このレストラン、高級ホテルの中にあるのだ。ホテルの前まで行ったはいいが、入っていく勇気がなかった。貫禄がまだ足りないようだ。ここは、もっとビックになってからまた来よう。
悔しいのでべらぼうに美味しいものを食べようと、タオルミナのふもとのレストランで「トリュフのパスタ」を食べた。めちゃめちゃ美味しかった(語彙力低下)。
祭り
B&Bの店主と会話していると、今夜「音楽のフェスティバル」があると教えてもらった。タオルミナは山間にある町だが、山の上のほうの教会であるとのこと。
山を登っていくが、観光客はまったくいない。本当に祭りがあるのだろうかとあやしんでいると、村人がちらほらと増えてきた。
最初は、フェスティバルのようなものだと思っていたが、どうやら地元の祭りのようだ。
日本のように出店もでていた。
奥に見えるのは、キリストを抱えたマリア様である。
宿の主人には、「音楽のフェスティバル」と聴かされていたので、夕飯で白ワインを飲んでしまっていた。
まさかのほろ酔い状態で、キリスト教の祭礼に参加、更に観光客っぽい人は僕一人。アジア人なのが目立つ目立つ。
だが、赤ワインはキリストの血だ。ならば、白ワインは汗か、リンパのようなものだろう。セーフ、セーフ(汗)
祭礼では、聖書の一説なんかを読みながら説教をしていくような形式だったように思う。ゴスペルなんかも歌っていた。
神父さまがイタリア語で何かを言うと、隣にいた美人が、手を差し伸べてきた。周りをみると握手をしているようだ。すかさず、手をのばし握手をする。神父は、「汝の隣人を愛せよ」的なことをいったのだろうか、美女の手を握れるとは、ハレルヤ。
その後、神父さまがパンのような煎餅のようなものを配りにきた。これがキリストの肉だろうか。ありがたく頂戴した。
祭礼はクライマックスに向かっていく。マリア像が山車のように運ばれ、隊列をくみ、村を練り歩く。
キャンドルを持ちながら、みんなで練り歩く。奥の家では、花火を屋根から垂らしている。
村のはずれまで、マリア像がつくと、花火が打ちあがる。お神輿みたいだ。花火は神楽の代わりだろうか。
偶然、異国の祭礼に立ち会うことができた。想像とは違ったが、とても良い経験だった。宿の主人の言うことは聞いておくにかぎる。
翌日、山の向こう側まで歩いていってみることにした。すると、焼き芋販売ならぬ、焼きピザ移動販売トラック発見。
この日の夜にはローマ行きの列車にのらなければならない。少し離れたところへある駅へ移動。
夜行列車に乗る予定だったのだが、早く来てしまったので、町を探索することに。
海にテラスのあるレストランで、ウニとトマトのスパゲティを注文した。ウニはまだ時期ではないようだ。すこし微妙。
因みにイオニア海の海水は、甘め。
何がつれるの?と声をかけると、イカを見せてくれた。イカスミスパゲティもいいな。イタリアを旅行するなら、胃袋が4つくらい必要かもしれない。
あっという間に、夕暮れ時、この素敵な駅がイタリアでの最後の駅。
空のてっぺんのほうは、深い青だ。
青く染まった青空の中で、シチリアにお別れを。