令和元年五月三日
神津島から、フェリーに揺られ新島へ移動した。新島でも宿がとれずにキャンプである。今回はかなり大型のキャンプサイトでかなりたくさんのグループがキャンプをしていた。
さっそく海岸へ行ってみる。
海岸にあるこういう謎のオブジェが好きだ。
浜に寄り付くモノの中には結構面白いものもあったりする。浜に寄り付いたモノからストーリを連想する。なぜ、海に落ちてしまったのか、持ち主と海とモノについての小話とか書いたら面白いのではなかろうか。
「モノがみる夢」
食品サンプルが並んでいる棚。いつか、そんな光景があった。
新島は比較的、坂が少ないように感じた。レンタルサイクルでもなんとかなりそうだ。
新島内のまったく別の場所で撮った2枚。電柱と蔦は好きな組み合わせ。
どこへいってもビニールハウスの廃墟を見かける気がする。ビニールハウスの残骸は、存在感がある。成長しきった植物が金属のカゴに閉じ込められているようだ。
学校のシンボル。存在感。
こういうベンチで音楽でも聴いたら気持ちがいいかもしれない。
太陽が沈んでいく。明日の天気は曇り。居酒屋は観光客で混んでいて、どこにも入れずに簡単にラーメンを食べる。
星の写真を撮りに出かける。風を集めているようなオブジェクトはお気に入り。
向こうに見えるのはイカ釣り漁船だろうか。雲も若干かかっているが、この反対側では落雷が落ちているのが見えた。天気が悪いと憂鬱な気持ちになってくる。
フリーサイトなだけあって、走り回る学生や、他人のテントにライトを当てる無法者、23時に音楽をかけながらパーティーをする外国人などもいた。
ここは、俺の落ち着ける場所ではないようだ。このアウェー感、心細さをとても感じる。スマホのバッテリーも残り60パーセント、暇つぶしに持ってきた小説は読み終わっている。
令和元年五月五日
予報とはうって変わってからっと晴れている。
東京行きのフェリーが出る時間に、若郷地区行きのバスに乗る。今日帰るそういう選択肢もあった。でも晴れた。だからまだ、行ったことのない場所へ。
若郷地区は、車でしか行けない村だ。観光客はバスか、レンタカーを借りなければ行けない地区である。まるで、陸の孤島だ。
ここで子供たちが練習していたのだろう。的を隠すように草がはえていることからも、廃校になってからの月日を感じさせる。
若郷地区から帰ってきた。式根島の方も晴れているらしい。日帰りで式根島まで行ってくることに決めた。
式根島から新島へ帰ってくると、日が傾きはじめていた。
また、すぐに始まる日常のプレッシャーからだろうか。なぜか無性に家でゴロゴロしたい。ホームシックになっていたのかもしれない。
少し憂鬱な気持ちで、この島に沈む夕日を眺めていたら、ウォークマンから細野晴臣のハリケーンドロシーがながれてきた。
心に潜む不安感が、歌といっしょに波音へとけていく。
さぁ、美味しいものでも食べに行こう。
どうやら観光客のほとんどは、今日で帰ってしまったようだ。今夜は居酒屋に入れそうだ。温泉に入った後に、気になっていた居酒屋にはいる。
島でとれた魚や、赤いかの刺身を食べながら、ビールを飲み干せば、すっかりこの島が好きになっていた。隣に座った保育士のお姉さんや、サーファーとしゃべりながら飲んでいれば、あっという間に時は過ぎていく。
やっぱり美味しいモノさえ食べれればオールオッケーなのだ。