ダージリンはイギリス統治時の避暑地として栄えた場所らしい。お洒落な建物や高山鉄道が走った観光地である。
ダージリンの路地やお土産屋通りを歩いていると、どこか既視感を感じてきた。まるで、そう温泉街のようだ。友人も同じ感覚を感じていたのでまちがいない。
標高も高く体は冷え切っていた。宿についたらまず、シャワーを浴びる。列車旅が続いたため、久しぶりのシャワーである。着替えはカルカッタの露店で買った真っ赤なTシャツだ。駅で、ポーターは真っ赤な衣装を着ている。それにまぎれてやろうと探して買ったものだが、袖を通すと、上半身が痒くなってきた。
むずむず痒みと痛みを伴ってきて我慢しきれず、Tシャツを脱いで見ると、裏地に蛆のような幼虫が大量に孵化して、大騒ぎしている。
言葉にならない大声がでる。今、思いだしてもゾワっとする。シャツをビニールに入れしばり、もう一度シャワーへ直行。洋服に卵を産み付けるハエっているのだろうか、もしくは高山病の幻視なのか、今でもわからないがショッキングすぎる出来事だ。皆様も、露店で服を買うときは気をつけてください。
ダージリンは季節のせいもあって殆ど曇りか霧に覆われていた。白黒の世界のイメージだ。
エベレストと御来光を眺めるスポットにはたくさんの人が集まっていた。でもやっぱり霧と雲。この向こう側には世界最高峰があるはずなのに。
ダージリンで極彩色が目に飛び込んできた。日本とは仏像の様相が異なりすぎて釈尊以外の像は、誰なのかよくわからない。でも仏教文化圏であることは、日本人にとってホッとする要素ではなかろうか。
ダージリンは、ブータンやチベットに近い事もあり、人々もアーリア・ドラヴィタ系ではない。日本人と似ているので、村に溶け込みやすい。同じような顔、同じ宗教が、安心をある程度もたらすことを実感した。ジャパンタウンやチャイナタウンといった、同族地区が形成されるのもなんか納得。