景山民夫の短編小説『休暇の土地』が好きだ。

短編集の中で、本の題名にもなっている「休暇の土地」という話が印象に残っている。主人公が、アメリカの荒野で男と出会い、そこで交わした少しの会話それだけの話であるがなんともいえない雰囲気がたまらなく良い。

休暇のたびに、人口の光が見えない砂漠の荒野で1週間ほどキャンプするという男は、淋しくないかと主人公に問われてこう答えた。

「淋しいよ。それが砂漠に来る理由なんだ」

私も偶に、孤独でいたくなるときがある。基本的に恋人もずっといないし常に孤独ではあるのだが、孤独にどっぷり浸かりたくなるのだ。

そんなときは、車に寝袋とマットを積み込んで北へ車を走らせる。

そして太陽も落ち景色を見ながらのドライブができなくなったら、適当なパーキングで寝る。

冬ならば、大抵、寒さに起こされる。大体、起きるとトイレに行きたい気分であるが、寒さゆえにエンジンをかけてあったまることを優先させてしまう。そして、エンジンをかけると走り出したくなりトイレに行かないまま出発する。

車内が暖まってきたら、見かけたコンビニへ寄り、用を済ませてコーヒを買い込む。そうしてまたひたすらに車を走らせるのだ。

海岸にある謎構造物って結構すきじゃな。

明日も明後日もやって来る
このまま生き続ければ、グルグルめぐる
昨日も一昨日もやって来た
何度も同じこと繰り返してきた

四街道ネイチャー あした、あさって

何か劇的なことなんかおこるはずもなく、今日がすぎていく。

特別なんて存在しないそんな明日のために今日を生きる。

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