スカイ島から、インバーネスに向かってネス湖沿いの道を走っていると、ネッシー博物館という文字が目に入り見物してみる事にした。テレビでよくやっているような内容がほとんどだったが一つだけ気になる伝説があった。もともと、陸地にいたドラゴンが、キリスト教の宣教師によってネス湖に追い出された物語である。
キリスト教などのアブラハム系宗教により、各地にあった土着信仰の神々は悪魔に落とされたり、天使として吸収されたりしてきた。悪魔としてのバアルや天使としてのガブリエルも元々はシュメールやバビロニアの土着信仰の神だ。
竜やドラゴンが神や神聖なものとして信じられるのは、中央アジアから東が多い。それは、アブラハム系宗教が中央アジアから西へ行ったおかげで排斥されず、土着の信仰が残ったのからなのではないだろうか。
日本では竜は、洞窟や川や海など水に関連し、蛇と同一視され信仰される事も多い。尚更キリスト教には受け入れられないだろう。アジアを中心に神聖視される竜は、ヨーロッパでは英雄に退治される対象である。
スコットランドはネス湖地域で元々信仰されていた竜神もといドラゴンもキリスト教の広がりによって陸を追われネス湖へ追いやられたのかもしれない。「恐竜の生き残り」がいる湖ではなく、「竜神伝説」の湖なのではないだろうか。
よって今後、ネッシーを探す企画では、科学者がソナーなどを使って探査するより、神霊系に強い能力者や神主に協力してもらうべきだろう。