エジプトカイロ空港にてトランジット20時間。入国しないという選択肢はない。手持ち75ユーロほどという状況にて、エジプト考古学博物館とピラミッドを観光するという狙い打ちミッションに挑戦した。

そもそもエジプトは観光地としてあまりにもメジャーであるが、日本人のほとんどはツアーにて観光するため、個人旅行者の旅行方法の情報が圧倒的に不足している状況である。ここでは、筆者が圧倒的な情報不足(通常よりは)のなか、いかにトランジット観光を無事に終えることができたのかご紹介するとともに、エジプトの観光方法に悩む人の助けに少しでもなればと思う。ただし、筆者の方法が必ずしも正攻法であるかは不明であるし、誰しもが成功するかは不明である。

入国

観光ビザは、現地空港で取れ、25米ドルかかるという情報はありふれていた。しかし、ユーロなどの通貨も同様に使用できるのかどうかという情報については日本語記事では存在しない。さらに、ロンリープラネットのスレッドにそういう情報は記載されているが、確かな情報かは不明であった。

筆者はもちろんユーロしか所持をしておらず、直前までユーロをドルにモロッコ空港で替えようかどうか迷っていた。しかし、そもそもモロッコディラハムを介さない両替は不可とのことだったので、不確かな情報で本番に挑むこととなった。

結果としては、25ユーロでもエジプトアライバルビザの購入は可能であった。ドルの場合との差額はエジプトポンドにて返される。

両替

6時ごろ空港につき、無事に入国手続きゾーンを抜けたものの、次に現金の両替が必要である。現金の両替はなるべく、営業していたらそこで早めに済ますことをお勧めする。

筆者は、並ぶのが嫌で荷物受け取りゾーンを抜けてしまった。外で営業していた両替所は一店舗のみだが、すぐにシステム上の問題で休止状態になってしまった。一時間ほどで始まるといわれるが、そんなに時間に猶予はない。到着エリアには自動両替機が存在しているが、なかなか操作は難しい。お札を認識するまでに何回もトライしなければならない。そうなるよりは、多少並んでも、早めに両替しておいたほうがいいだろう。

空港脱出

筆者は世界各地の空港を利用してきたが、カイロ空港ほど市内へ行くのが困難な空港は初めてであった。観光客は、UBERかタクシーといった方法が一番簡単で安心である。とくにUBERはお勧めかもしれない。

しかし、筆者は現金不足。タクシーは現金のみ。UBERは最後の保険として利用したい。いざという時までなるべくスマホのバッテリーを温存しておき、どうしようもないここぞという時の切り札にしたかった。

もちろん、それに備えてオレンジという通信会社のプリペイドSIMを1500円くらいで購入しておいた(クレカ使用可)。

最後に残った方法は、路線バスの使用である。

  1. まずは、空港のターミナル連絡バスに乗る必要がある。連絡バスにのると、バスターミナルまで運んでくれる。INFOでバスターミナルを連呼してみると、あれに乗れと教えてくれた。念の為、確認するといいだろう。
  2. 次に、エジプト考古学博物館近くにあるバスターミナルの地図をスマホに保存しておき、片っ端から尋ねる。そもそもバスの番号はアラビア語の数字で記載されており、アラビア語ができる人以外には役に立たない。まず、自分の力のみで攻略するという考えを捨て、ひたすら色んな人に聞きまくるといいだろう。一人の人が教えてくれたからといって、盲目的に信じず、バスに乗ったら運転手や、乗客など二重三重に確認を怠らないことが重要である。因みに、ほかの人の旅行記も参考にするといいと思われる。
  3. 言われた通りの額を支払う。これが重要だ。今、カイロメトロの地下鉄などの情報を調べようとすると、1EGP(エジプトポンド、以下EGPと表記する。)だという情報と3EGPだという情報がある。だが、実際には3EGPである。インフレが進みネットの情報すら古いものである。空港から市内バスターミナルまでのバスの値段もネットには5EGPと記載されているが、実際には7EGPであった。現地の人も7EGPを支払うのを確認した為、ぼったくられた可能性はない。気持ちよく旅をしたいのであれば、現地の物価も上がってきているということを念頭に臨機応変に対応しよう。
  4. バスには、運転手と料金受け取り手の二人が乗車している場合がほとんどである。料金受け取り手の人に、ここで降りたいと伝えておき、周りのやさしそうな乗客にもここに行きたいけどバスあってる?と確認しておくと降りるときに教えてくれる可能性がたかい。バスは降車時にも乗車時にも完全に停止しないことが多いので、タイミングを見て行動しておく必要が在る。
エジプト考古学博物館近くのバスターミナルはここらへんにある

エジプト考古学博物館

ミイラやツタンカーメンも見れるチケットを300EGPで購入した。

入場する際に、入って左側の窓口で荷物を預けなくてはならない。大きい荷物の場合、バクシーシと言われるチップを求められることがあるが、本来無料である。筆者の場合、現金に余裕は一切無かった為、英語ワカリマセーン戦法を利用したら諦めてくれた。鍵などはしっかりかけておく、御礼はしっかり伝えることが重要だ。 また、出口にあるカフェでは、クレカを使用できる。現金に不安のある人は飲料水をここで補充しておくと安心である。筆者は水を一リットル購入した。

エジプト考古学博物館近くにはかの有名なナイル川が流れている。余裕がない人はここで少し歩いて見ておくといいだろう。巨大な文明を築いた大河の流れは今も昔も変わらないのだから。

エジプトの地下鉄

切符は、窓口で購入する必要がある。路線図と料金表は駅のどこかに、はってあるのでしっかり確認しておくこと。ピラミッドへ行くのであればGIZA駅まで乗車する必要がある。エジプト考古学博物館近くのsadatからピラミッド最寄りのgizaまでは、3EGPだった。

筆者は地下鉄に乗ろうとしたら、今お祈り中だからやってないよと声をかけられた。実際そんな事はなかったので、相手から声をかけられた内容については疑ってかかるべきかもしれない。

GIZA駅からピラミッドまで

大通りから、路線バスに乗る方法と、乗り合いバスに乗る方法がある。恐らく乗り合いバスのほうが簡単かもしれないが、安全性は不明である。

自分の場合は、路線バスを利用した。路線バスの場合そこそこ歩く必要がある。バスの乗り方としては、スピードを緩めたら、「ハマム(ピラミッドの意味)」を連呼する。バス内の誰かがコレだと教えてくれたらそれに乗り込む。

ピラミッド

道を歩いていると見切れるヤツが

ピラミッドの入場券売店までは坂を登りきらなければならない。途中、馬車などがたくさん止められたボロっちい建物(したの写真)に、案内されそうになっても無視することが必要だ。とにかく登れ。

筆者は予算の関係上入域チケットのみを購入した。(180EGP?忘れた)

入場してからも、そのチケットじゃだめだよと声をかけてくる胡散臭い連中が山ほどいる。全て無視してピラミッドを観光しよう。

むかしは、化粧岩のようなもので覆われていたのだろうけど、今や上部のみになっている。完全体だったころを見てみたいな。

また、ピラミッドは街のすぐ近くにあると良く言われ、ある意味ガッカリてきなニュアンスで表現されることが多い。しかしそれは過ちである。ピラミッドは街と砂漠の境界に建っている。ピラミッドを越えれば砂漠の始まりなのだ。RPGゲームの出発地点としては申し分ない。むしろ浪漫の塊のように感じる。

ピラミッドから空港まで

エジプト観光を一通り終えたら空港へいかねばならない。カイロの交通状態は一切よめず、18時ごろには渋滞が毎日発生するという情報もある。そのため、飛行機出発の6時間前には空港へ向けた行動を始めることをお勧めする。

情報が不確かな中で、唯一しっているバスがたくさん集まる場所、それが、考古学博物館近くのバスターミナルである。筆者は考古学博物館まで戻った。バスターミナルで、色んな人に空港の地図を見せながら、聞いて周らなければならない。

筆者の場合、売店で買ったジュースを賄賂にバス会社の人に教えてもらった。このように。

しかし、アラビア語はよめないので、手に書いてもらったメモを色んな人に見せながらまたバスを探す必要がある。また地図を使用して二重三重にチェックをすることを忘れてはならない。

およそ2時間程度かかり空港のバスターミナルに到着した。そこから、連絡バスに乗り換えお目当てのターミナルについたころには2時間半以上の時間がかかっていた。これは渋滞に巻き込まれなかった場合のタイムである。なるべく早い時間に動くことの重要性がわかっていただけただろうか。

エジプトは一日、それもトランジットではとても時間が足らない。だが、それでも、ハイライトを見ておきたいひとには是非入国してもらいたい。

スペインモロッコなどを旅したが、ここまで住民に助けを求めたのも助けてもらったのもエジプトが久しぶりだったし、歴代でもかなり色々親切にしてもらった国かもしれない。もちろん治安等の状況はよくは無いので警戒は怠ってはいけないが、住民に頼り多くコミュニケーションをとる旅の良さを再認識できた。

また、市内ではクレカはほとんど利用できない。筆者は、空港に着いた段階で全財産360円のみという状況だった。

ちなみにエジプトへの憧れの原因はハムナプトラである人がほとんどだと思われる。少なくとも筆者はそうである。

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