やられた。完全にやられた。たぶん水だ。駅で一回だけ急いで買ったペットボトルを意識せずに飲んでしまった。封を確認せずに飲んだのはその一回だけ。それを飲んだ後に、お腹がぶっ壊れた。

 水を飲んでも、そのまま出てくる。まるで、ストローになってしまったようだ。実を言えば、ジョードプルでは、常にお腹をこわしていた。どころかおそらく高熱。息切れしながら街を歩き10分に一回は休憩。

 へとへとになりながらも”メヘラーンガル城”を見物する。翌々日には帰国も迫る。この状況でニューデリーまで辿りつけるのだろうか。

 メヘラーンガル城にあるというヒンドゥー寺院まで行って見る事にした。チャームンダーと呼ばれる怖い女神が祭られていた。こうなったら神頼みである。なんとか無事に帰れるように体調回復させてください。

 メヘラーンガル城のベンチに座り目をつぶる。太陽の熱が自分の体を突き刺してくる。だが心地の良い熱がどんどんと体に溜まってくるのを感じた。 宿へ帰りベッドのなかへ入ると、太陽から受け取った熱がぐるぐる体を循環し、汗がダラダラと吹き出てくる。シャーマンのトランス状態はきっとこんな感じだろうと思いながら眠りに落ちた。

 目を覚ますと21時ごろ、あれだけ悪かった体が楽になっていた。もう2日間もなにも食べれていない。 友人を誘い屋上で飯を食べた。

心地よい風がふいてきた。

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