高原地帯を抜けて、砂漠へ。

乾いた風が窓から入ってくる。モニュメントバレーに近づくにつれ印象的な風景が広がってきた。

有名なホテルの駐車場からの眺め。

太陽が沈むまでここに。

夜は、ルート66のほうにあるトラックストップへ向かおうと思い、グーグルマップに頼ったのが運のつき。

インディアン居留地のひとつ「ナバホ族やアパッチ族の 居留地 」へ迷い込んでしまった。

電灯はもちろん無く、いつの間にか道路もアスファルトから土へ変わっていた。

Uターンできる広さも無い道をひたすら前に進むしかなくなるという展開に。電波も入らずスマホも役立たずになったところで、車が泥でスタックしてしまった。

満天の星空の下、ひたすらスタックから抜け出すための方法を考える。

まず、水溜りと泥を埋めるのがいいだろうと思い、スマホのライトを使い探索に出る。そこで初めて気づいてしまった、右側は沼地で左側は崖だったのだ。

こりゃどうしようもない。最悪は救助が必要なレベルの場所だ。一番近そうな集落まで10km以上ある。コヨーテの遠吠えも聞こえてきたところで、一旦寝ることにした。なんだかんだで死を意識した瞬間だった。

朝、太陽の光で目が覚めた。太陽の光がこんなにも力強く感じたのは初めてだった。俺は日本人、日ノ本の人間だ。太陽が昇ってきたから全て問題ない。そんな感覚を覚えた。

外に出ると、下の水溜りに氷がはっていた。泥も心なしかシャリシャリしてそうだ。一か八かで、車のエンジンをかける。前に進むのは恐ろしすぎる。ずっとバックしながら脱出したほうがマシだ。そう考え、思いっきりアクセルを踏み込む。昨夜よりはタイヤが泥をつかんでいる。タイヤを左右にふり、より泥をつかめるポジションを探る。一旦、前に進み、また思いきっりバックする。

すると、泥から脱出できた。しかし、車を止めればまたスタックするので荒地の中をひたすらバックしていった。

ようやく、転回できそうな空き地を見つけることができた。だが、またもや迷子に。

地図ではこの先に街があるようだが、その雰囲気すら感じられない。しかし、頼れるものは地図のみなのだ。進むしかあるまい。

地面は凍結し、柵すらない、このような道路をひたすら走った。

この崖を下り、一時間、ようやく町へ到着した。

車は泥だらけ、靴も泥だらけ。

だが、生きている。まだ、旅を続けられることが嬉しかった。

そのあとのグランドキャニオンは格別だった。西へ行こうそう思った。

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